関税の種類は何がある?
商品を輸入するときに支払う関税は、実はいくつか種類があります。同じ商品を輸入しようとしても「どこの国の貨物」や「自由貿易協定を結んでいるのか」によって、適用される関税は異なります。
この記事では、関税の種類とそれぞれの違いを説明します。
関税の種類
輸入するときに支払う関税は、大きく分けて「国定税率」と「協定税率」の二種類があります。
国定税率とは、日本の法律によって決められている関税です。一方、協定税率とはWTO(世界貿易機関)など国同士のやり取りによって決められている税率です。
この二種類の関税の中に「基本税率」「暫定税率」「WTO協定税率(MFN)」「特別特恵」「特別特恵」「経済連携協定」の6種類があります。輸入するときには、これらの内、いずれか一つを適用して関税を納めます。
それでは、以下でそれぞれの関税がどのよう物であるのかをお伝えします。
1.基本税率
最もベースとなる税率です。後から説明するWTOに加盟していない国の商品について適用される税率です。WTOに加盟している国が多数であるため、かなり少数の国に適用される関税です。
2.暫定税率
普段は高い関税が設定されているのに、特別に安くしているときがあります。それが「暫定税率(ざんていぜいりつ)」です。税率を安くしているのは、あくまで一時的であることを強調しています。
例:バターなど
3.WTO税率
世界の貿易について話し合う機関として「WTO(世界貿易機関)」があります。この組織には、世界中の多くの国々が参加しています。むしろここに加入していない国の方が少ないです。もちろん、私たち日本も加盟しています。
世界貿易機関の加盟国には「最恵国待遇(さいけいこくたいぐう)」というルールがあります。これは、加盟国内のある国へ関税的な恩恵を与えるのなら、それを全加盟国に等し平等に与えることを約束するルールです。もちろん、日本もこれに従っています。
もし、WTO税率が設定されている場合は、「基本税率」よりも優先して適用されます。
■ここから先は、主に減税や免税を受けられる税率です。
4.特別特恵制度(とくべつとっけい)
世界の中で最も貧しいとされている国からの商品には、原則関税無税で輸入できるようにしています。これらの国々のことを「LDC」と言います。こに指定されている国が多い地域は、アフリカ諸国、アジアが多いです。
東南アジア諸国であるとラオスやバングラデッシュ、カンボジアなどが指定されています。この関税ゼロ税度を利用すれば、おもしろい商品を発掘できるかもしれません。
5.特恵関税(とっけいかんぜい)
先進国よりも発展が遅れている国々の商品にてついて「減税措置」をしています。先ほどのLDCの場合は、関税ゼロを基本としていましたが、特恵関税は関税の減税を基本としています。これは、LDCよりも少しだけ発展しているからです。
例:タイなど
6.経済連携協定(関税ゼロ貿易/EPA)
これは、国が貧しいかどうかの基準ではありません。日本と対象の国同士の「関税をゼロまたは低率」にして、お互いの経済発展を促すことを目的とするものです。いわゆるEPAやFTAと呼ばれるものであり、これからの貿易ビジネスには、欠かせない仕組みになります。
以上、関税6種類の違いでした。